実際にドクターヘリが出動する流れを見てみましょう。
救急車とは違い、通報者がドクターヘリを直接呼ぶことはできません。一旦、消防本部が119番通報を受けた後で、必要に応じてドクターヘリの手配が始まります。ドクターヘリが出動するにはいくつかの基準があり、主に大量出血など生命の危機が迫っているような重篤な患者の場合に出動要請が行われます。
消防本部からの出動要請を受けたドクターヘリはただちに準備に入り、およそ数分程度で離陸します。一方で地上の救急隊も活動を開始し、患者の元へと向かいます。救急隊は患者の救護を行う他、ドクターヘリが到着する場所まで患者を搬送する役割も持っています。そして、到着したドクターヘリと救急隊が合流し救命処置が始まります。その後患者を乗せたドクターヘリは患者の処置を行いながら症状に合わせた医療機関へと向かうことになります。このように、ドクターヘリは単独ではなく地上の救急隊とも連携していて、医師と看護師が現場に出向くことによって速やかに初期治療を開始することができるのです。
ドクターヘリの出動件数は、一例として愛知県を取り上げると平成24年で合計366件となっています。平均するとほぼ毎日出動していることになりますが、そのうち250件が現場救急となっていて出動キャンセルも96件に上っています。ドクターヘリの出動が増えるにつれてキャンセルも増えているようですが、ドクターヘリが使用中であったために対応できないという事もあるようです。